人事制度構築事例

 成果を出す社員と人事制度上の役割等級がマッチせず、人事制度全般を見直した事例
     
         従業200名  ソフト開発業
【概要】
 コンピュータソフト事業は、日進月歩で技術が進歩し、システムエンジニア等は能力を磨かないと技術はすぐ陳腐化してしまう。従来からいた社員が管理職になっていたが、若手社員をうまく管理するすることが出来ず、ソフト開発の技術・能力も従来の等級制度とマッチングせず、社員のモチベーションも低下する傾向にあった。そこで、新しい人事制度を検討する必要にあった。

【対策】
 以下の順で、対策を講じ、人事制度全般を見直した。
1 社員が多いため5割前後の社員から会社の問題点、改善点を聞き取り調査した。

2 聞き取り調査結果を報告書として経営者に提出し、問題点を指摘した。

3 問題点を踏まえ、組織活性化プロジェクトを会社内部に設置した。

4 経営方針を統一するため経営者、経営幹部参加のもとで、全部門の幹部が参加し、納得するまで議論。経営方針を一致させた。

5 経営方針の統一を踏まえ、各部門の方針、目標を明確化。また職種レベルごとに知識、行動基準をもとに能力評価基準を設定<4段階>。

6 チームの目標、個人の目標を明確にし、上司と部下による目標面接を1ヶ月に1回実施した。

7 部門、チーム、個人を公正に評価し、賃金、賞与、退職金に反映させた。

【結果】
 ソフト開発会社の特徴は、会社全体のコミュニケーションが不足していることが多い。そのため社員間、会社全体のコミュニケーションを活性化させるためソフトを使った情報の共有化。さらには、経営方針を明確にしたうえで、勉強会や社員が議論できる職場環境づくりを強いリーダシップのもと、会社が作り、社員のモチーベションを上げていく必要がある。また個々のコミュニケーション能力をあげるためコーチング、カウンセリングの技法も必要になってくる。これは、目標管理においても必要であり、目標管理は、「個人に差をつける」制度ではなく、「人材を育成する」制度であるとの認識を持つことが、成果主義的な人事制度を運用するためには必要である。